<ペースメーカーの基礎>ペースメーカーの適応疾患

ペースメーカーの基礎

『ペースメーカーはどんな人に入れるんですか?』と患者、看護師、後輩、実習生などに聞かれぱっと答えられるでしょうか?

極論で言うと『可逆性の徐脈で症状が出ている方』かなと思います。

では早速詳しく学んで行きましょう!

洞不全症候群(Sick Sinus Syndrome:SSS)

『洞性徐脈、洞停止、洞房ブロック等による徐脈が原因となり、失神、眼前暗黒間、めまい、疲労感などの脳虚血症状もしくは心不全症状を呈する状態』と定義される。

ポイントは最後の『〜呈する状態』という言葉です。

SSS自体は原疾患ではなく、あくまでも他の原疾患によって引き起こされた症候群ということです。

SSSを呈する心電図所見としてRubenstein分類により3群に分けられます。

<Rubenstein分類>

その他特徴として、

『Ⅱ群:洞房ブロック』洞結節の信号は正常だが時々起こる洞房ブロックでポーズが起きます。

そのため、洞房ブロック時は洞調律の整数倍でのポーズが起きます。

 

SSSと言ってもこれだけの種類があります。

ただし、Rubenstein分類は前述した通り、あくまでも心電図所見のみの話なので

SSSの定義の中にある脳虚血症状、心不全症状を呈しているものが病的とされSSSとされます。

房室ブロック(Atrio Ventricular  Block:AVB)

先程のSSSは刺激の指令を出す大本の障害でしたが房室ブロックは心房心室刺激伝導路障害されたものです。

病的なものは高齢者、器質的心疾患を持つ方に多く、繊維化や脂肪変性、炎症などが原因となって引き起こされます。

心電図所見により『1、2、3度房室ブロック』に分けられます。

 

①1度房室ブロック

PQ間隔200ms(0.2秒)以上延長した状態。

QRS波の脱落は無く、多くは治療を要しません

 

②2度房室ブロック

2度房室ブロックはQRS波脱落を有し、心電図所見から2つに分類されます。

  1. Wenckebach型(MobitzⅠ型) ※以下、Wenckebach型
  2. Mobitz型(Mobitz型)     ※以下、Mobitz型

Wenckebach型、Mobitz型とでは臨床意義が異なります。

 

Wenckebach型(MobitzⅠ型)

若年者にしばしばみられ、房室結節内機能的ブロックのため一般的に治療を要さない事が多いです。

ただし、高齢であったり、器質的疾患を有する場合はペースメーカー植込みを行う場合も有ります。

心電図所見はPR間隔徐々延長遂にはQRS波脱落を呈する。

脱落後は再度PR間隔が戻り、徐々に延長し脱落する事を繰り返します。

 

Mobitz型(MobitzⅡ型)

多くはヒス束内、ヒス束以下器質的障害が原因となり、多くは植込み型ペースメーカーの治療が必要となる。

進行すると高度房室ブロックへ移行します。
(高度房室ブロック:2拍以上連続してQRS波が脱落するもの)

心電図所見はPR間隔延長無突然QRS波脱落を有します。

危険なものに発作性房室ブロックがあり、上室性期外収縮の発生などを発端にQRS波突然、持続的脱落する場合があります。

とても危険な状態で心臓突然死をきたしやすい病態でもあります。

 

③3度房室ブロック(完全房室ブロック(Compleat Atrio Ventricular Block:CAVB))

心房−心室間の伝導が全く無いもの。

植込み型ペースメーカーの植込み治療が必要となります。

心電図所見はPP間隔、RR間隔それぞれ一定だが、心房−心室間伝導ためP波とR波には関連性はなく、P波/R波それぞれが独自のレートで拡張収縮を繰り返す。

PP間隔洞結節の興奮により決定され、

RR間隔接合部調律 or 心室補充調律によって決定されます。

 

ペースメーカーの適応
1 )洞不全症候群(SSS)
2)Ⅱ度房室ブロック(Mobitz型のみ
3)Ⅲ度房室ブロック(CABV)

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