新人の時は『よくわからないけど、別に電池寿命や閾値などの主要なデータじゃないからな、、、』なんてわからず仕舞いでそのままにしていました。
罰当たりですね。笑
プロとしてしっかり解析しましょう。
SIC(Sensing Integrity Counter)
Medtronic社のペースメーカーに存在する解析項目で
心室センシング後に出現した、早期の心室センシングイベントの発生回数です。
要は、短い連続したV−Vセンシングイベント(Short V-V Intervals)でをペースメーカーが拾うとカウントが増えます。
たくさん出ていると少し身構えてしまいます。
SICが増える原因としては以下のとおりです。

急性期と慢性期では起こりうる内容に違いが有るので時期に合わせ怪しむ目を
養ってください。
R波、T波のダブルカウント以外はノイズ混入が原因となります。
SICカウントは回数が300回以上になる場合は要確認と言われています
大きく分けてこの4項目をチェックします。
- エピソード
- 再現性
- リード抵抗値
- 設定
エピソード
ノイズが連続して発生していた場合、そのノイズが不整脈のエピソードトリガーに引っかかり不整脈としてカウントされていることがあります。
もちろん誤認識のため不整脈としてカウントしてはいけません。
ただし、この場合はエピソードEGM(心内心電図)が残っていればSICの原因を究明できる大きなアイテムになります。
デュアルチャンバーであればAリード、Vリードの心内心電図が記録されています。
両リードに同じ様なノイズが乗っているか、片方のリードのみにノイズが乗っているかで原因が異なってきます。
どちらか片方のリードであればリード不全やルーズピンなど、リード本体に何らかの異常が起きている可能性があります。
対して、両方のリードに同じ様なノイズが乗っている場合は、システム全体に影響が出る外部からの電磁干渉が考えられます。
電磁干渉が疑われる場合は、発生日時を確認し、その時間に患者さんが何をしていたか確認をとってみてください。
過去にあった経験としては、『低周波のマッサージ機を使っていた』、『温泉の電気風呂というものが近くにあった』など、電磁干渉の原因がはっきり分かる場合もあります。
ペースメーカーの解析はデータのみでなくヒアリングも大切です。
再現性
リード不全が原因の場合は、ストレスチェックというものを行い、その再現性を確認することで原因を究明します。
<ストレステスト>
①ポケット部の圧迫:本体−リード接合部の断線チェック(断線好発部位)
②上腕の上下運動:上腕を動かしリードへストレスをかけ断線チェック
ストレスチェック中は心内心電図の記録用紙を流し記録したり抵抗値を確認するなどし、特定の状況でリード状態の変化、ノイズの混入が無いかチェックを行う。
リード抵抗値
リード不全が疑われた場合はリード抵抗の変化が見られます。
前回チェックと比べ、±200Ω以上の変化があれば念の為、複数回測定を行います。
それでも±200Ω以上の変化がある場合は、リード不全がないかその他データを確認し評価を行います。
また、バイポーラ/ユニポーラの2パターンで抵抗のトレンドを確認し、バイポーラのみのリード不全なのか、バイ/ユニ両方のリード不全なのか確認します。
ユニポーラが無事の場合はユニポーラ設定へ変更しリードの使用を継続できます。
設定
感度を鋭くしている場合はオーバーセンスによるダブルカウントでのSIC検出の可能性があります。
その場合は、感度設定の見直しを行います。
ダブルカウントを解消したいリードの感度を鈍くすることでSIC検出を解消します。
ただし、拾わなければならないものを拾わなくなってしまうアンダーセンスには注意が必要となります。
また、その他ダブルカウントや複数回のカウントをしていしまう原因に大胸筋の筋電図混入があります。
ユニポーラを使用する場合はリード先端〜ペースメーカー本体という広い範囲でセンシングを行っています。
筋電図混入はSICの原因となるためユニポーラー設定の場合は以下のテストを行い筋電図の評価を行います
筋電図のテスト
①拝みテスト:胸の前で手のひらを合わせ、大胸筋に力を入れる。
②引張テスト:胸の前で手を左右に引っ張り、大胸筋に力を入れる。
以上のテストで筋電図が混入する場合、
- 極性をバイポーラに変更する
- センシング感度を鈍くする
などの検討を行う必要がある。

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